東大研究員が韓国の女性ジャーナリストへ嫌がらせ
オンラインで韓国への批判を繰り返すXアカウントのAirKatakanaは、韓国で未成年への性的暴行容疑を含む複数の刑事訴訟を抱える米国籍東大研究員だった。
2024年12月3日に起きた韓国大統領尹錫悦による突然の戒厳令とそれに続く戒厳令に関する韓国の議会と司法当局の動きの情報を追うために、私は昨年末以来韓国情報を英語で発信するジャーナリストや研究者のXアカウントを新たに複数フォローしていた。
そのうちの一人である米コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程学生のYejin Gim氏が年明け早々に気になる投稿をXで行なった。





Yejin Gim氏は、しつこく嫌がらせ投稿をリプライしてくるAir Katakana @airkatakanaというアカウント名のXアカウントを投稿のスクリーンショットと共に告発した。Air Katakanaの投稿を見ると明らかに女性嫌悪の嫌がらせをジャーナリスト迫害に追加して行なっていた。Yejin Gim氏は昨年12月以来、尹錫悦韓国大統領の戒厳令に関する報道の投稿を積極的にX上で行なっていたが、一連の関連投稿を見ると、Air Katakanaは自身の問題を報道してもらうためにYejin Gim氏にXで話しかけ、相手にされなかったことで逆恨みをしたように見える。さらにAir Katakanaは自分の問題に興味を持ったジャーナリストが「男性だけだった」という不合理な理由で女性ジャーナリストのYejin Gim氏に対して女性であることを理不尽に批判していた。
XアカウントのAir Katakana@airkatakanaは、主に英語での投稿を行なっており2024年1月2日の時点で27Kのフォロワー持つインフルエンサーだ。プロフィールではAIを専門とする博士課程研究員と自己を紹介しており、sottakuという日本語学習アプリの製作者とも記述されている。 彼は自分の本名がAndrew Thomas Gambardella /高波旭であることを自身のソーシャルメディア投稿で明かしている。

Xで韓国の女性ジャーナリストへ嫌がらせを行うアカウントであるAir KatakanaことAndrew Gambardellaが日本語であるKatakanaという語を含むアカウント名をもち、日本の女性嫌悪トロールたちの間で多く見られるアニメ少女アイコンを使用していることに私は強い興味を持った。カタカナ(Katakana)とは日本語の音節文字の一つ。また、Andrew GambardellaがRedditにアカウントを持って同様のトロール行為をしているという指摘もインターネット上でされている。
Andrew Thomas Gambardellaという人物については、彼の出身である米国ペンシルバニア州バックス郡の地元紙で報道がされている。彼は、バックス郡の高校を卒業後、ウェスタン・コネチカット・ステート大学、カリフォルニア大学バークレー校で学位を得て、オックスフォード大学で人工知能の分野で博士号を得た。米ペンシルバニア州バックス郡地方裁判所判事のGary Gambardella氏を父に持ち、日本語と韓国語が堪能で、2022年3月の地元紙報道当時は韓国のKAIST(韓国科学技術院)で博士研究員として働いていることが記されている。現在は、東京大学の松尾・岩澤研究所でAndrew Gambardellaの特任研究者として名前が載っている。
注目すべきは、Air Katakanaが固定にしているポストだ。(2025年1月2日時点)
ここで、Air Katakanaはドナルド・トランプ次期米大統領とトランプが指定している副大統領候補のJD・バンスに対して自分を駐韓米国大使にしてほしいと投稿をしている。この中で彼は、韓国に対する米国市民への法的対応を無効にするという恐るべき内政干渉の提言を繰り返し行なっている。また、駐留米軍基地を持つ韓国に対して、米国の防衛に対して韓国の負担を増やすべきであるという主張もしている。これらのAir Katakanaの駐韓米国大使志願に関する提言は、同じ駐留米軍基地を持つ日本を祖国とする私としてもいかに傲慢かつ無神経なものかよく理解できる。






この固定ポストに限らず、Air KatakanaはXにおいて繰り返し韓国に対する敵対的なポストを行い、その数は異常なほどだ。彼がなぜこれほどまでに韓国とその法執行機関に対して強い敵意を持つのか、それは彼自身の投稿で何度も説明がされている。それは、Air Katakana/Andrew Gambardellaが現在韓国の法執行機関からの複数の刑事訴訟に直面しているからである。
Air KatakanaのXの投稿をまとめたサイトによると、彼が韓国の法執行機関で複数の刑事起訴直面している原因となったのは、彼が以前所属していたKAIST(韓国科学技術院)に関して内部告発したことだと主張している。Air Katakana/Andrew GambardellaはKAISTにポストドクター(博士研究員)研究員として所属していたが、土曜日の出勤を断ったことをきっかけにKAISTと関係が悪化、その後いくつかのKAISTに関する内部告発をしたと説明している。
一つ目は、KAIST監査室へ担当助教授に関する苦情を申請後10日で解雇されたという主張、
二つ目は、KAISTの担当助教授が私的目的で休日にも研究室の人材を動員し本業と無関係の仕事をさせ十分な賃金を支払わなかったという主張、
三つ目は、KAISTの担当助教授が彼に巨額の支払いをさせたという主張。
韓国のメディアでは、この件に関して既に報道されている。
2024年5月26日発行の韓国のエネルギー経済新聞の報道で、Air Katakana/Andrew GambardellaとKAISTの双方の主張がよくまとめられている。まず一つ目の主張のKAIST監査室に申告後10日で解雇されたという彼の主張についてだが、KAIST側は解雇ではなく通常の契約期間の終了であり、延長をしなったと説明。同機関は、彼の契約を更新しないという決定は、職場の不正行為、機関方針への違反、その他の重大な問題を含む複数の懸念に基づくものであったことを明らかにした。 KAISTはすでに、KAIST監査室が実施した徹底的な調査の結果、ガンバルデラ氏が提起した申し立ては根拠のないものであったとの結論に達したことを確認している。さらに、KAISTでの契約打ち切りに関して地方労働委員会と国家労働委員会の両方に提出された訴訟でも、彼は不当解雇されておらず、契約更新をしない正当な理由があったと判断されている。
二つ目の不当労働に関してKAISTは事実とは反すると主張、偽の情報をXで流されたことに関してAndrew Gambardellaに対する刑事告訴を行なっていると話したことが報道されている。
また、労働警察の捜査により、Gambardellaが偽造した証拠を提出していたことも判明した。
ここで、Air Katakanaの主張する韓国での刑事告訴に関して情報が得られた。Air Katakanaはこの他にもKASIT調査室と人権倫理センターに提出した資料を改竄した容疑など2024年5月の時点で7つの容疑で刑事告訴手続きがされているというKAISTからの説明がエネルギー経済新聞によって報じられている。なお、三つ目の主張はKAISTの調査室で審査され法令や内規、指針に指針に違反した部分はなかったと調査結果が出たというKAISTからの説明が報道でされている。
韓国のエネルギー経済新聞の報道の中で注目すべきは、KAISTの担当助教授がAir Katakana/Andrew Gambardellaに関して、彼がXの匿名アカウントで虚偽の主張と悪意によりトロール行為をすることで有名な人物であり韓国社会を嘲笑していると語ったことである。それはまさにAir KatakanaのXでの投稿を見た私の印象に合っている。恐るべきは、2024年5月時点で12Kフォロワーと報道されたAir KatakanaのXアカウントは現在27Kと二倍以上に増えており、彼のその影響力を増大させていることだ。
KAISTとAndrew Gambardellaの訴訟に詳しい情報筋からもう一つの彼に関する報道の情報を得た。それはAndrew Gambardellaが韓国に滞在中に、多くの女性との性的関係を示す写真を同意なくソーシャルメディアへ投稿していたことと、彼が「18未満の女性を性的暴行した」と投稿したについて韓国で刑事告訴されているという内容の報道だ。
2025年1月18日、偶然にもNHKがAndrew Gambardellaが所属する東京大学松尾・岩澤研究所を特集する番組を放送した。日本経済を立て直す若きAI研究者たちを生み出す未来ある研究所として大々的に報道されていたが、Xではそこに映し出される研究員たちがなぜか男性ばかりであることに違和感を示すインフルエンサーなどの投稿が散見された。Andrew Gambardellaは確かに華やかな学歴を持つ「若き研究員」であるが、同時に女性に対して不合理に攻撃的で侮蔑的であり、韓国の報道で明らかにされているように米国籍を持つ彼が他国に対して見せる差別的な言説は、東京大学が目指す未来の道徳的規範に合致しているのだろうか?この記事を書くにあたって東京大学にはAndrew Gambardellaに関する質問を送ったが、回答期限の二週間を過ぎても東京大学から返答はなかった。
Air Katakanaは現在刑事訴訟に関連して昨年の12月末以来韓国に滞在しているとXで投稿をしている。彼は韓国で検察官に正式に起訴され、ついに裁判にかけられることになった。起訴され、現在も裁判が続いているため、一時期韓国からの出国は法的に禁じられていたが、東京大学での雇用は維持されているようだ。 今後、この刑事手続きと裁判がどのように進展していくのか、また東京大学がこの問題にどのように対処していくのか、注視していきたい。